現在使用されているのは、2004年にスイスのBREITLING(ブライトリング)社が500本限定で製作した自動巻きクロノグラフで、そのうちの20本を2004年以降に在籍したドルフィンライダーさん達が使用しています。B社の通常の商品ラインナップモデルに、1)ブルーインパルスのエンブレム(部隊マーク)を追加、2)文字盤、サブダイヤルの色やコントラストを変更、3)ベゼルやブレスレットの表面仕上げを変更 4)裏蓋にT-4ブルーのイラストと限定Noを刻印等が施されています。シリアルナンバーの020番まではブルーインパルスへ。限定モデルの収益金の一部は、航空自衛隊が指定した慈善団体へ寄付されています。残念ながら、発売年に即刻完売しており、新品の入手は不可能です。
なお、BREITLING社は、これまでも1994年と1997年にブルーインパルスモデルを製作した他に、各国空軍のオフィシャルウォッチも数多く手掛けています。イタリア空軍のアクロバットチーム、フレンチェトリコローリからのオフィシャルウォッチの製作依頼に対して、全く新規のウォッチをチームと共同開発し、後に自社製品にラインナップしたことでも有名です。ブライトリング社は、「プロフェッショナルのための計器である」との一貫した製品哲学を掲げており、このウォッチが世界的に低迷していた機械式時計復活の一役を担いました。
機会があれば、ドルフィンライダーさんの左手首の時計を見てください。世界屈指のパイロットウォッチをベースとする強靭な造りと精密さ、抜群の視認性・機能性に、おそらく目を奪われることでしょう。
Imachanは、Studio-Tのブライトリング話を延々と聞かされ、シリアルナンバー214/500を清水の舞台から飛び降りるつもりで購入し、2005年ツアーを共にした。思い入れの深いパイロット達と同じ時計を持って、幸せそうな毎日を送っているようだ(笑)。
「外装はだいぶ傷が付いてしまったけど、ガラスのところは傷ひとつなし。ブルーインパルスモデルの原型ともいえるクロノマットをフレッチェトリコローリと共同開発しているときに、フライトの時、ガラスが毎回割れて原因を追究したら、パイロットがフライトが終わると両手を大きく上に伸ばして、無意識にキャノピー(風防)にぶつけていたんだって。それでガラスを強化したって。そんな逸話も聞いていたし、その通りガラスは傷ついてない。そんなところも気に入ってます。ファッションウォッチにはしたくないので、粗雑には扱わないけど毎日使ってます。子供の頃、腕時計を持つことが一人前になることのような時代だったけど、ちゃんとした時計を大事に長く使うということはいいことだと思います。そういえば最初に就職した会社は国内の有名な腕時計メーカーでした(笑)。コンピュータ関連事業部門でしたけど。」とは、Imachan談。
<Studio-T><写真:Imachan>