平成21年4月24日、アミューズソフトエンタテインメントより待望の映画「空へ−救いの翼 RESCUE WINGS−」DVDが発売されます。
航空自衛隊の救難隊を“可視化”あるいは“見える化”してくれた秀作です。
過酷な救難任務の現場。本作には、ドキュメンタリーでは描ききれない、隊員の心の葛藤が描かれています。
冬の日本海の海岸に立ったことがありますか?鉛のような雲が敷き詰められ、大陸からの強風が吹きつけ、うねった海は見ているだけで恐ろしくなります。運輸、漁業のみならず、防空任務においても要所となる日本海の過酷な自然の中で、小松、新潟、秋田、芦屋の救難隊が救難最後の砦として活動していることを、日々の生活から垣間見ることはありません。
舞台は、そんな日本海の海と、海からの風をせき止めるようにそそり立つ立山連峰一帯を守る小松救難隊。
主人公、救難ヘリコプターUH-60Jの新人パイロット・川島遥風3尉役を演じたのは、新潟県中越地震でも災害派遣に就かれ、平成17年の訓練中の事故で殉職した新潟救難隊の救難隊員を父に持つ高山侑子。最近良くテレビCMでも見かけるようになりました。AB型の侑子ちゃん、本当はプライベートなことに立ち入られるのが一番嫌いなはず。それでも笑顔で振る舞い、お父さんの合同葬儀で上京し、スカウトされ女優になったことを打ち明けてくれました。12歳でお父さんを亡くし、気丈に現実を受け止め、15歳から16歳に掛けて23歳の川島遥風を演じ、人生の試練を乗り越えるだけでなく、お父さんの生きた証を見える化してくれました。もしかしたら侑子ちゃんのお父さんは、劇中の相手、瀬南孝太郎2曹のようなメディック(救難員)だったのかもしれません。お父さんを知る仲間が、高山の娘が主演するあの映画ね、と、口にしたとき、そのトーンから、なんだかお父さんの人柄も伝わってくるようでした。高山の娘がやる映画で俺ができることがあれば協力したい。本作は、航空自衛隊全面協力の看板を超えて、隊員のそんな心意気が伝わってくる映画でもあります。
あるブルーインパルスのTRパイロットが初めてナレーターとして展示任務に展開したとき、それは佐渡でのことでしたが、地震のときに助けに来てくれた自衛隊へのお礼を老婆から言われ、それは自分ではなかったと申し訳なく思いながらも、自衛隊の顔、ブルーインパルスの一員として、また自衛官として、心を新たに展示任務に努めることを誓ったといいます。本当の気持ちは、その助けられたお婆さんのような体験をしなければわかならいのかもしれない。でも、少なくとも、僕らくらいはわかろうとしたいではありませんか。アニメ「よみがえる空−RESCUE WINGS−」とコミックス「レスキューウィングス」を原作とする本作を映画化してくれた製作陣にも同じ気持ちがあったと思います。
《築城航空祭のトークショー》 昨年、築城航空祭でのトークショーをはじめ、航空祭や基地祭でプロモーションを行った高山侑子ちゃん。やっぱり本物の女優さんは違います。輝いていました。その後、新宿厚生年金会館での試写会に行くことができ、そこで侑子ちゃんに会うことができました。
「ブルーインパルスのファンを全部、侑子ちゃんの味方につけます、くらいの気持ちで応援してます」
そう直接伝えました。本サイトが、日本中、何十万人いるかわからないブルーインパルスファンに隅々まで影響力を持つとは思わないけど、少なくともここに集まる心ある常連さん達とは、そういう気持ちを共有できていると思っています。
あとは、あのときの葬儀には前の4番機の人も同じ事故で同期のパイロットを亡くし行っていたのだ、とか、カメラマンの山崎さんや赤塚さんもブルーインパルスのことに関わっている、とか、次の1番機の人は赤塚さんの同期でとにかく皆つながっています、とか、グダグダと何かを伝えようとしたけど、うまく言えたかも伝わったかもわかりません。
試写会の上映が終わり拍手が起こる中、足早に手塚昌明監督に近寄って、こうも伝えました。
「よくぞドンパチではない自衛隊の映画を創ってくださいました」
手塚監督は
「そのまま撮っただけ」
と、言われていました。
スポ魂化して、トップ1%の精鋭パイロットのために創設されたとその主旨にまで嘘をついて興業成績を上げたトップガンのような手法もありだけど、命を扱う本作において、そのまま撮ってくれたのが知る上で一番心に染み入りました。ロープウェイのゴンドラを吊り上げてしまうほどのハイパワーなUH-60Jに女性パイロットがいないことは百も承知。隊員の心の葛藤は嘘偽りなく見える化され伝わってきました。
あとは、高山侑子ちゃんや長編映画初出演の美人女優さん、瀬戸早妃の制服姿に萌えたとか(笑)、木村佳乃の飛行班長が最高に格好良かったとか、三浦友和の奥深い演技とか、救難隊の技術とか、退役前のMU-2の雄姿とか、そんなことも全部入っています。シネコン化して、なかなか意義ある作品をじっくり観ることもできなくなった現状において、劇場で見逃した方も多いと思います。是非、DVDで本作の真髄に触れてみてください。本作の領域を超えて、UH-60J導入の経緯をネットで検索してみることも、合わせて救難隊を理解する上でお勧めします。
さて、コレクターズエディション、セル通常版、レンタル版とある中で、特筆すべきはコレクターズエディション。サポーター's DVDの坂本監督が構成されています。関係者のインタビュー、発表会やメイキングの映像、救難機のみならず旧塗装のファントムまで収められた貴重な航空機の映像の数々、そして資料性の高い実際の救難現場の映像も収められています。コレクターズエディションが一押しです!
《本編あらすじ》
母を救った航空救難団に憧れ、女性初の救難ヘリUH-60Jの新人パイロットとなった川島遥風(はるか)。苛酷な訓練、感傷を捨てなければ全うできぬ人命救助の任務。荒れ狂う海へ、突風渦巻く断崖へ、強風吹きすさぶ離島へ。彼女は、葛藤しながら「救えないこと」の辛さも乗り越え、救難ヘリ操縦士としての覚悟と誇りを育んでゆく。ある日、戦闘機F-15Jがレーダーから消えた。遭難したパイロットの救出に向かった遥風は、残燃料のリミットと闘い、命懸けのミッションに突き進む・・。
〜空へ−救いの翼 RESCUE WINGS−劇場パンフレットより引用〜
《DVD製品情報》
■「空へ−救いの翼 RESCUE WINGS−」コレクターズエディション
2枚組(本編DISC+特典DISC)
本編約108分/カラー/片面二層/16:9LBビスタサイズ
音声:@日本語(オリジナル)5.1ch ドルビーデジタル
A日本語(オリジナル)5.1ch dts
Bオーディオコメンタリー(手塚監督×杉山協力プロデューサー)
【特典内容】
本編DISC:劇場予告編
特典DISC:
◆MAKING OF 「空へ −救いの翼 RESCUE WINGS−」
「航空ファン」の特典DVDに収録されていたものより尺が長く、また小松救難隊の救難員が撮影した映像も追加収録したもので、未公開映像が満載。
◆完成披露記者会見 at 海上自衛隊横須賀基地
海上自衛隊横須賀基地で実施された完成披露記者会見の模様を紹介。主演の高山侑子を初めとする役者陣と手塚監督のインタビューを収録。
◆ドキュメント AIR RESCUE WING
航空機ビデオの名作「エアベース・シリーズ」に収録された訓練の映像や部隊で撮影した映像に、航空自衛隊提供による実際の出動記録の映像を交え、航空救難団の実像を紹介。
◆航空機B.G.V.
映画本編では使用されなかった未公開カットを満載した機種別のBGVで、UH-60J、V-107A、U-125A、F-15Jの4機種を収録。
■「空へ−救いの翼 RESCUE WINGS−」セル通常版
本編約108分/カラー/片面二層/16:9LBビスタサイズ
音声:@日本語(オリジナル)5.1ch ドルビーデジタル
A日本語(オリジナル)5.1ch dts
Bオーディオコメンタリー(手塚監督×杉山協力プロデューサー)
【特典内容】
本編DISC:劇場予告編
■「空へ−救いの翼 RESCUE WINGS−」レンタル通常版
本編約108分/カラー/片面二層/16:9LBビスタサイズ
音声:日本語(オリジナル)5.1ch ドルビーデジタル
発売元:角川映画
販売元:アミューズソフトエンタテインメント
《リンク》
■空へ−救いの翼 RESCUE WINGS−公式サイト http://www.sorae-movie.jp/top.html
■TAC Photography http://www.tac-photo.com/
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