《2011.2/25 Release ブルーインパルス
サポーター's DVDエクストラ
Complete Mission 2 THE SOLO
DVDジャケット》 平成22年2月25日、
バナプルより、「
ブルーインパルス サポーター's DVDエクストラ Complete Mission 2 THE SOLO」が発売された。前作「
Complete Mission FULL MANEUVER(平成20年10月10日発売)」におけるブルーインパルスの編隊長(1番機)に次いで、リードソロであり第二編隊長である5番機がどのように飛んでいるのか、空撮コクピット映像に現役ブルーインパルスのパイロットがその要点を語る究極のブルーインパルス映像作品だ。
エンジンスタートから始まる1区分(50周年版)がフルに網羅され、コクピット映像とHUD映像で構成された映像は、1番機や6番機の映像とも絡められ、ブルーインパルスのアクロバット飛行がどこまで緻密に組み立てられ、そのためにどれだけ操縦技量の高さを保持いるのかを証明している。無線交信や目視で確認し、次に進められていく様々な手順や、気温や風の影響の修正、地図と地形で予め準備するチェックポイントの構成、編隊とソロでのループの飛び方の違い、などなど、航空祭でのナレーションと目の前に広がるアクロバット飛行の迫力から高揚していく感覚とは違う、その裏づけともいえる飛行技術の数々が凝縮されていることに、今更ながら驚かされる。冒頭には、5番機の役割としてリードソロがあり、また1番機が故障した場合に編隊長として課目を実施する役割も語られ、実際に見る機会はないかもしれないところまで、何重にも訓練されていることもわかる。ブルーインパルスの六機の中で、多数機(五機以上)編隊長の資格を有する1番機と5番機の熟練の技はどこまで巧みなのか…
ブルーインパルスのアクロバット飛行は、アメリカンスタイルのサンダーバーズやブルーエンジェルスと同じ六機で編成されるが、一機、二機、三機、四機、五機、六機のすべての機数で課目が作られ、それらの世界を代表するアクロチームよりも、より巧妙で複雑であることは歴然としている。ブルーインパルスの任務は第一に航空自衛隊の広報活動にあるが、内外に空自戦闘機パイロットの技量の高さ、空自の運用レベルの高さを示すことも挙げられる。展示飛行を通じて技量を示すことで、戦争の抑止にもつながっているのだ。各国の戦闘機パイロットがブルーインパルスのアクロバット飛行を見れば、漠然とではなく、この映像にある情報をつぶさに見せ付けられなくても、どれだけの緻密さと技量と訓練とが積み重ねられているのか一目瞭然にわかるはずだ。そんな領域の情報をこの映像作品は我々ファンに解説して見せてくれている。さらには、この作品は第一弾の「Complete Mission FULL MANEUVER」とともに、今後ブルーインパルスを目指す若手パイロットの教材にもなり得るレベルといえよう。
バナプルはこれまでサポーター's DVDシリーズでの精力的な活動をはじめとして、ブルーインパルスファンにとってなくてはならない制作集団となった。50周年の今年度、第11飛行隊成立までの歴史を浮き彫りにしてくれた「
Blue is Blue The 50 Years」に次いで本作をリリースしてくれたことに感謝の意を表したい。今後、50周年の活動記録をまとめた新作も予定されており、ブルーインパルスの活動を伝える重要な媒体としての制作活動に益々期待していきたい。