フルショウの流れ(ウォークダウンからウォークバックまで)

|  航空祭の楽しみ  |
 今回は、フルショウの全体の流れのお話をしましょう。ブルーインパルスのショウの見所は大空ばかりではありません。ちょっと地上にスポットをあてて全体を見てみましょう。
<ウォークダウン>
 華麗なアクロバットショウが始まります。会場にはBGMとナレーションが流れ始めました。これからショウで使われる6機のT‐4が整列された横には、パイロット(ドルフィンライダー)6名が整列し、各T-4の前には列線整備員(ドルフィンキーパー)3名が整列待機しています。パイロットは一糸乱れぬ行進で1番から順に各自の機体にむかい、整備員と敬礼を交わした後Gスーツを身に付け機体に乗り込みます。
<プリタク>
 パイロットが操縦席につくと地上での見せ場であるエンジンスタートとプリタクシーチェック(飛行前の点検。略してプリタクと言う)がはじまります。ここでは、整備員とパイロットがハンドシグナルでお互いの意思疎通をはかります。腕を上下左右に動かす度にT-4の可動箇所がその通り動く様子は、まるでただの機械であるT-4が、彼らによって命が吹き込まれたようにさえ見えます。
<タクシーアウト>
 一通りチェックを終えた機体は、離陸滑走のため滑走路(ランウェイ)へ向います。滑走路までの道を誘導路(タクシーウェイ)といい、駐機場(ランプ地区)から誘導路へ出て行くことをタクシーアウトといいます。この時観客の前を1機ずつ順々に通り過ぎていくので、精一杯手を振りましょう。パイロット達も手を振ったり、サムアップサインなどで応えてくれます。
<フライト>
 滑走路に入ると、まずはスモークをオンにしてスモークチェックを行います。そして、離陸。華麗なアクロバット飛行です。
<タクシーバック>
 アクロバット飛行が終わり、T-4が着陸して戻ってきました。この時6機のブルーインパルスは、アクロバットが終わってもその隊形を崩しません。一糸乱れぬ隊形で駐機場へと帰ってきました。ファンの声援に手を振ってこたえてくれています。
<ウォークダウン>
 まだショウは終わっていませんよ。駐機場に戻ってきても、まだまだ見せ場があります。
 整備員達が機体を所定の位置に駐機させる為絶妙なハンドシグナルでパイロットを誘導します。整備員の誘導でピッタリと所定の位置に飛行機を止めた後、飛行機を降りたパイロットは整備員と敬礼をし、お互いの健闘とショウの成功をたたえあうため握手を交わします。(この時会場は興奮と感動につつまれています!)そして始まりとは逆に、6番機のパイロットから順に行進しながら集合し、6名揃って整列した後、最後の敬礼でショウを締めくくります。
 ブルーインパルスのフルショウでは、大空と同様に、地上でも華麗な演技が繰り広げられているのです。

<EAGLE305>